2014年11月11日火曜日

共同研究「自己論の現在」 第1回公開研究会開催のお知らせ

多元的自己と再帰性を考える――浅野智彦氏をお呼びして


【日時】2014年11月29日(土) 14 :00 ~17:30(受付開始 13:30 ~)
※一般公開 ・入場無料 研究会終了後に懇親を予定しております 。

【会場】先端社会研究所セミナールーム(関西学院大学上ヶ原キャンパス 社会学部棟 3F )


※関西学院大学上ヶ原キャンパス
※社会学部校舎

【報告者】浅野 智彦 氏
 1964年、仙台市生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京学芸大学教育学部教授。専門は自己論、アイデンティティ論、物語論。
著書に『「若者」とは誰か――アイデンティティの30年』(河出書房新社)、『趣味縁からはじまる社会参加(シリーズ若者の気分)』(岩波書店)、『自己への物語論的接近――家族療法から社会学へ』(勁草書房)

【コメンテータ】名部 圭一氏
 1966年、大阪市生まれ。関西大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、桃山学院大学社会学部准教授。専門は理論社会学、文化社会学。
著書に『社会文化理論ガイドブック』(共編著、ナカニシヤ出版)、『文化社会学の視座――のめりこむメディア文化とそこにある日常の文化』(共著、ミネルヴァ書房)、『現代文化の社会学入門』(共著、ミネルヴァ書房)など。 


備考
本研究会は、関西学院大学社会学研究科大学院生が自主的に企画している「自己論の現在」研究会と、先端社会研究所2014年度定期研究会との共催となります。本研究会に関するお問い合わせはgssp.kgsoc [at]gmail.com[at]@に変換してください)までお願いします。
 
【研究会の主旨】
 本研究会は、「自己」、とりわけ若者の自己像とその語りを対象とするアイデンティティ研究や物語研究における新たな分析視座や社会学的アプローチについて検討する。現代社会を生きる若者は、「自分探し・自己分析」といった営みを通して多元的に自己を語ると同時に、「ゆとり世代」「コミュニケーションの希薄化」といった様々な言説によって多様に語られる存在である。そして、このような「自己」の語りの変化に合わせて、対象への研究アプローチも多様化しており、インターディシプリンに若者を把握する必要があるといえる。
そこで本研究会では、現在若者に関する言説や彼らの実践に焦点をあて研究を続けておられる浅野智彦氏をお呼びして、氏の研究関心の変遷を伺いつつ、再帰的近代において多元的に自己を生きるとはどういうことなのか/そこではどのように「自己」が語られるのかについて検討し、新たな社会学的思考を獲得することを目的とする。

2014年8月26日火曜日

共同研究「フォークロア研究の国際比較」班 第2回研究会 開催のお知らせ


 共同研究「フォークロア研究の国際比較」班 第2回研究会を次の通り開催いたしますのでご案内いたします。
 
 昨年に引き続き、今年度も共同研究「フォークロア研究の国際比較」班では、フォークロア研究の比較分析を目的とする研究会を関西学院大学大学院社会学研究科と関西学院大学先端社会研究所の共催で開催することとなりました。今研究会では、近年、アメリカおよびヨーロッパのフォークロア研究、宗教研究において用いられるようになっている「ヴァナキュラー」概念から比較分析を行なっていきたいと考えております。
 多数の皆様のご参加をお待ちしております。(一般公開・入場無料)

【日時】
2014年9月7日(日)13:00~17:1012:30より受付開始)

【会場】関西学院大学 梅田キャンパス アプローズタワー10階1001号室
http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

【講師】小田島建己 氏(東北大学大学院文学研究科 専門研究員)

【テーマ】「ヴァナキュラー宗教」をめぐって 
 
 これまでに行ってきたアメリカのフォークロア研究との比較分析により、近年アメリカのフォークロア研究において、宗教民俗学者であるレナード・ノーマン・プリミアノ氏が提唱した、これまでの運用とは異なる「ヴァナキュラー」概念が注目を集めていることが明らかとなりました。
 プリミアノ氏の提唱する「ヴァナキュラー」概念は、元来の意味である「国や地域に生来の」、「土着の」、「個人的な、私的な」という意味から発展し、「組織された集団によって担われない」、「特定の文化状況下でのコミュニケーションや嗜好や行為の仕方であり、その文化に適合したもの」として解釈されており、「人びとが対象とどのように出会い、理解し、解釈し、実践したか」に着目しており、公式/非公式という二項対立的分析に陥ることなく対象を観察するアプローチとして関心が寄せられています。
 そこで、今研究会では、この「ヴァナキュラー」概念を課題として設定し、さらなる理解を深めるべく、プリミアノ氏のもとで学び、日本の民俗事例を用いて研究を行なっている小田島建己氏を招聘し、プリミアノ氏の研究、アメリカ民俗学における「ヴァナキュラー」概念の運用、日本民俗学研究への応用、アメリカにおけるフォークロア教育の実態等についてお話いただく予定です。


【講師紹介】小田島建己(おだじま たけみ)氏

 宗教学、文化人類学、民俗学者。
 Cabrini College Religious Studies卒業後、東北大学大学院文学研究科 人間科学専攻 宗教学専攻分野 博士課程後期修了。現在は東北大学大学院文学研究科 専門研究員。
 専門分野は、墓制・死者の表象・死者観・民間信仰など。
 主な論文に「死者供養における個性の表出 ―若松寺への「ムカサリ絵馬」奉納にみる―」〔東北民俗 (41) 9-18 (2007)〕、「〈死者の結婚〉とその形象 ―「冥婚」・「死霊結婚」概念と習俗実態との差異―」〔比較民俗研究 (23) 3-34 (2009)〕、「〈死者の結婚〉を表わす ―「川倉際の河原地蔵尊」の花嫁・花婿人形―」〔青森県の民俗 (9) 17-37 (2009)〕、「被災した岩沼の墓地 ―津波の爪痕を癒そうとする人々の自助努力―」〔東北宗教学 (7) 39-64 (2011)〕等がある。
 
【お問い合わせ先】
共同研究「フォークロア研究の国際比較」班  広報担当
関西学院大学 大学院 文学研究科  博士課程前期課程  文化歴史学専攻  地理学地域文化学領域  M2 岡田裕美


2014年3月20日木曜日

『KG社会学批評』第3号刊行

このたび、『KG社会学批評』第3号が刊行されました。

 創刊号から二年、第二号から一年、引き続き関西学院大学先端社会研究所同大学院社会学研究科のご支援をいただき、今年も無事完成させることができました。編集委員より関係者の皆様に御礼を申し上げます。
 第3号では前号と同様、本学社会学研究科院生たちを中心としたコンテンツとなっております。査読付き「書評論文」では、自己啓発をめぐる現代社会論から差別の計量研究、また核エネルギーの言説史からベトナム難民の定住プロセスなど、多様なテーマが扱われた書籍の中から、評者たちの関心に沿った論点が示されています。
 また、本号の特集では2号からの引き続きとして、大学院生たちによるフィールドワーウや読書経験から生まれた知見をもとにしたコラムを集めると共に、新たなコンテンツとしてOBの方の単著をめぐる現役院生たちとの対話の記録を掲載しています。
                             読者の皆様の忌憚なきご感想をお待ちしております。

※本号の目次はこちら訂正表(随時更新)はこちらになります。
 
 

2014年2月16日日曜日

共同研究「フォークロア研究の国際比較」班 第1回研究会

共同研究「フォークロア研究の国際比較」班 第1回研究会


【講師】小長谷 英代 氏(早稲田大学 社会科学総合学術院 (社会科学部)・教授

【日時】2014217日(月)12:00~15:30

【場所】関西学院大学上ヶ原キャンパスE号館201号教室

【題目】「アメリカ民俗学の今―理論、実践、政策―」

【司会】谷岡 優子(関西学院大学大学院 社会学研究科博士課程前期課程)

【備考】

本研究会は、関西学院大学社会学研究科大学院生が自主的に企画している「フォークロア研究の国際比較」研究会と、先端社会研究所2013年度定期研究会との共催となります。本研究会に関するお問い合わせはkgu.socgp[at]gmail.com [at]@に変換してください)までお願いします。

 【研究会開催概要】

近代日本で生み出された特徴ある人文学の一分野として、柳田國男による「民俗学」が存在する。
 これはネイティブ・アンソロポロジー(自社会・自文化研究)というべきものであるが、こうした動きは実は日本のみにとどまるものではなく、同時期の欧米各国においても同様に発生しており、それは「フォークロア研究」と呼ばれている。日本の「民俗学」を含む、これら各国のフォークロア研究は、それぞれの国内において独自の発展を遂げたものの、国際間での研究比較は行われていない。
 そうした状況のなか、本研究会は、アメリカ・ドイツ・フィンランド・ロシアのフォークロア研究との比較照合し、フォークロア研究の理論的再構成を目指すべく活動している。今回の第1回公開研究会では、小長谷英代氏をお招きすることにより、アメリカのフォークロア研究の動向や歴史的推移を学びつつ、上述の課題について考える機会としたい。
 【講師紹介】
 小長谷 英代(こながや ひでよ)

 ペンシルヴァニア大学大学院博士課程修了。Ph.D.
民俗学、パフォーマンス研究、アメリカ研究専攻。

主な著書に、小長谷英代・平山美雪編訳,2012 『アメリカ民俗学―歴史と方法の批判的考察―』岩田書院。
主要論文に、“Performing Manliness: Resistance and Harmony in Japanese American Taiko(Bronner ed. Manly Traditions: The Folk Roots of American Masculinities. Indiana Univ. Press,2005)、“Taiko Performance(Lee & Nadeau eds. Encyclopedia of Asian American Folklore. ABC-CLO, 2010)、「パフォーマンス理論―『ポスト』領域の民俗学―」(『日本民俗学』2632010年)、「アメリカの『民俗』と『口承性』―バラッドにおける差異の構築とナショナリズム―」(『立命館言語文化研究』232011年)、「『残存』からの脱却―アメリカ民俗学の試み―」(『現代民俗学研究』12009年)、などがある。

2014年1月31日金曜日

『エッジの社会学』、『メディア・文化のインターセクション』研究会―第4回公開研究会のお知らせ

題目:「生活圏」の行方と社会的なるものの可能性−ジモト/商店街/居場所の現在形
日時:2014年2月12日(水)13:00~16:30
場所:関西学院大学先端社会研究所セミナールーム(社会学部校舎3階)
http://asr.kgu-jp.com/contents/?m=Contents&cid=10

報告者:新雅史氏(学習院大学非常勤講師)、加藤裕康氏(関東学院大学非常勤講師)
コメンテーター:阿部真大氏(甲南大学准教授)
司会者:仲修平(関西学院大学社会学研究科博士課程後期課程)、山森宙史(社会学研究科博士課程後期課程)

備考:本研究会は、関西学院大学社会学研究科大学院生が自主的に企画している「エッジの社会学」研究会と「メディア•文化のインターセクション」研究会、先端社会研究所2013年度定期研究会との共催となります。本研究会に関するお問い合わせはkgu.socgp[at]gmail.com ([at]は@に変換してください)までお願いします。


概要:
 近年、地方郊外におけるショッピングモールの乱立やロードサイドビジネス等が生み出す画一的な景観が「ファスト風土」と批判されしばしば議論の対象となるが、それと対称的に「まちおこし」等の地域の駅前空間や商店街の活性化が声高に叫ばれる。しかし、これらの議論の多くにおいて、そうした「生活圏」内の商業空間が実際「どのように生きられてきたのか/活かされてきたのか」というリアリティの内実が深く掘り下げられてきたとは言い難い。とりわけ、そこに生きる生活者にとってこれらの商業空間はどのような意味を有しているのだろうか?
 以上の問題意識のもと、本研究会は現代日本の若者に焦点を当て、彼らがそれぞれにとっての身近な空間においてどのような「生」を実践しうるのかという観点から、生活インフラだけでなく働くことや人間関係の形成、居場所の構築といった「社会的なるもの」の基盤としての「生活圏」の現代社会における可能性を模索していくことを目的としている。
 報告者の両氏は、「商店街」や「ゲームセンター」という日常的な商業空間を研究対象に、歴史的な視点やミクロな視点によるフィールド調査を通じて、それぞれの研究対象の課題や可能性について明らかにされてこられた。新氏は、「地域や個人への給付」ではなく「地域に対する規制」によって〈ジモト〉に存在する商店街の理念を再考している。一方、加藤氏は、ゲームセンターをたんにゲームをプレイする場ではなく、様々な利用者の意図と実践がせめぎ合う中でその意味が読み替えられていく空間として捉える。
 これら両氏の視点を踏まえ、本研究会では「生活圏」における社会的なるものが、商店街に代表される地域の商業空間において、若者たちの具体的な実践を組み込む形で、どのようにして生成•維持されうるのか?という点を出発として議論してみたい。


報告者紹介:
新雅史氏(学習院大学非常勤講師)専門領域:産業社会学、スポーツ社会学
主著:2012年『商店街はなぜ滅びるのか−社会•政治•経済史から探る再生の道』光文社、2011年「両大戦間期における商店街理念の生成」『ソシオロゴス』(35号)など。

加藤裕康氏(関東学院大学非常勤講師)専門領域:コミュニケーション学
主著:2011年『ゲームセンター文化論』新泉社、2010年『コミュニケーション•スタディーズ』世界思想社、「初期カルチュラル・スタディーズにおけるサブカルチャーと疎外感 : ホガート、ヘブディジを手がかりとして」『余暇学研究』(16号)など。

阿部真大氏(甲南大学准教授)専門領域:労働社会学、家族社会学
主著:2013年『地方にこもる若者たち−都会と田舎の間に出現した新しい社会』朝日新聞出版,2006年『搾取される若者たち−バイク便ライダーは見た!』集英社など。