2017年1月16日月曜日

共同研究「フィールドワークの技法を問う」第1回研究会ーフィールドワークと映像をめぐるデータセッション

 
【題 目】:共同研究「フィールドワークの技法を問う」第1回研究会ーフィールドワークと映像をめぐるデータセッション
【日 時】:2017年1月20日(金) 15:00~17:00
【場 所】:共同学習室(関西学院大学社会学部棟2F)
【報告者】:飯塚諒 氏(関西学院大学社会学研究科)
【コメンテーター】:ケイン樹里安 氏(大阪市立大学大学院文学研究科)

【概要】
 第1回研究会では、「フィールドワークと映像データ」の関係をめぐる議論を行う。近年の技術発達に伴い、フィールド調査を行う際のデータ収集の方法も、ビデオなどの映像機器が用いられる機会が多くなり、聴覚・視覚的な情報分析の必要性が増してきている。例えば、非言語的な情報を扱う場合も、写真やDVDを用いた映像・視覚的資料が用いられることで、書記のみでは難しい情報の伝達・収集が可能となってきている。だが、そうして手元に残る映像データの内容や、そもそも映像を分析することの意味や技法が求められる背景を、どのように考えればよいのかについて、意外と話し合われる場は少ないように思われる。
 上の議論をはじめるにあたり、今回の研究会では、研究会メンバーの具体的なデータに基づいたデータセッションという形式をとることで、当該テーマについての問題点を明らかにすることを目指す。まず、聴覚障害者への支援のフィールドワークに関わる飯塚氏から、聴覚障害者(難聴者)と聴者のあいだで通訳を介した飲み会場面についてのデータを提示いただく。次いで、ゲストのケイン樹里安氏より、映像へのコメントをはじめ、映像をはじめとするデジタルデータを社会学的/メディア論的に分析することの意味と課題についてコメント頂きながら、議論を進めていく。
 この2名による問題提起から、映像データを分析にどう活かしていくのかという技法的な課題のみならず、そこで何が得られ、何が限界となるのかという構造的な課題にも目を向け、フィールドワークと映像データを取り巻く、「今」を検討していきたい。

【報告者・コメンテーターの紹介】
飯塚諒
関西学院大学社会学部卒業後、同大学研究科に在籍。学部卒業後、聴覚障害者の自立生活センターにて、通訳者兼、バイトスタッフを行い聴覚障害についての研究を行っている。また関学レインボーウィークをはじめとする、性的マイノリティの活動などにも携わっている。

ケイン樹里安
関西大学社会学部卒業後、大阪市立大学文学研究科に在籍。専門は文化社会学/文化研究。主な研究テーマは「ハーフ」あるいは「ミックス」と呼ばれる人々のSNSを介した日常的実践。近年は、フォト・エスノグラフィーというビジュアル調査法を用いて、よさこい踊りの担い手(踊り子)の実践の視覚化にも取り組んでいる。